近年声優をはじめとした声を使った仕事が注目を集めるなか、ナレーターも人気・需要が高まっています。声だけでさまざまな業務を担当できるナレーターの仕事は、AI(人工知能)などが発達するこれからの時代においても、私たちの生活に欠かせない職業となるでしょう。
そんなナレーターに興味があるのなら、まずナレーターの基本的な仕事内容を理解することが大切です。ナレーターがどんな仕事を担当するのか把握できれば、それに合わせてスキルアップや養成所への入所など、「何をすればいいのか」が分かるようになるでしょう。
本記事ではナレーターの主な仕事内容について、それぞれ分かりやすく解説します。
ナレーターとは?
そもそもナレーターとは、声を使ってさまざまな情報提供や演出を行う技術職です。「ナレーション」と呼ばれるストーリーの語りや、テレビなどで解説を加えることを仕事とするのが特徴となっています。
基本的に声のみで全てを表現する必要があるため、相手が聞き取りやすい声の出し方や、そのシーンに合わせた声を作れる技術など、専門的なスキルが求められる職業です。ただ声が良いだけではナレーターになることは難しく、「声」という人間特有の能力を音として活かせる能力が重要視されます。
ナレーターを目指すのなら、いきなりナレーションの仕事を見つけることは難しいため、まずは養成所などに入所して専門的なスキルを学ぶことからはじめてみましょう。
ナレーターの需要は高まっている?
人々の生活には、思っている以上に声が溢れています。例えば声による道案内や商品・サービスの解説など、生活を豊かにするためにもナレーターは必要です。その他、ドラマや映画で没入感を高めるために朗読のシーンを入れるなど、芸術面でもナレーターが活躍しています。
ナレーターの需要は昔から一定以上ありましたが、現在はさまざまな産業がデジタル化していることもあって、声を録音する機会は増えています。そのためナレーターとして働けるプロの需要は、ますます高まりつつあるのです。
もちろん、ナレーターとして活躍するためには、相応の技術と知識、そして向上心が必要です。声だけで表現する必要があるということは、それ以外の方法による「ごまかし」ができないという意味になります。そのため現在活躍しているナレーターの方々は、あらゆる努力と勉強を重ねて、ナレーターとしての需要を満たせる能力を維持しているのです。
需要を満たせるナレーターは今後もさまざまなシーンで活躍できると予想されるため、今から本格的なスキルを身につけるために養成所への入所を検討してみてください。
ナレーターの仕事とは
ナレーターとして働く場合、さまざまな仕事を担当することになります。特定の分野で活躍する人もいれば、オールラウンダーとして幅広くナレーターの仕事を請け負っている人もいます。いずれにせよどのような仕事を任されるのかを知ることが、ナレーターになるための第一歩になるでしょう。
以下では、主なナレーターの仕事内容について解説します。
テレビなどで声だけで進行を担当する
ナレーターは、テレビなどの映像に声を当てて進行を担当することが仕事になります。バラエティ番組のテロップに合わせて声を入れたり、ニュース番組の解説と進行を行ったりと、さまざまなパターンで仕事をするのが特徴です。
映像だけでは味気ないシーンも、ナレーターの声が入ることで劇的に変わるケースは珍しくありません。そのため今後もテレビなどの映像コンテンツでは、ナレーターの存在が欠かせないものになるでしょう。
テレビ番組には、バラエティ、ニュース、音楽、アニメ、スポーツ、ドキュメンタリー、教養、教育、趣味などあらゆるジャンルがあります。ジャンルごとに求められる声の質や読み方、文章量などが異なってくるため、ナレーターにはあらゆる番組に適応できる柔軟さが求められるでしょう。「バラエティ番組では楽しさが伝わるように明るくハキハキと話す」「ドキュメンタリー番組では真剣さが伝わるように落ち着いたトーンでゆっくりと話す」など、要望に合わせて対応する技術力を身につけるのがポイントです。
ドラマや映画などで声による演出を担当する
ナレーターは、ドラマや映画などの芸術関連のコンテンツで声による出演を果たす機会も多いです。役者の心理状況を解説したり、場面転換に合わせて現在のシーンを説明したりと、さまざまな形で映像作品のなかにナレーターの声が登場します。
ドラマや映画ではBGMを導入し、シーンを盛り上げる手法は古くから多用されています。近年はそこにナレーターの声による演出が加わり、分かりやすく状況を伝えたり、ときには「メタ的」な発言で視聴者を笑いに誘ったりといった形で使用されています。ドラマや映画などの芸術作品にとって、ナレーターは新しい表現方法のひとつとして認識されているでしょう。
店舗や館内でのナレーションを担当する
ナレーターは、店舗内の放送や博物館などの音声によるナレーションを担当するのも仕事です。例えば実店舗で商品や特売品をアピールするための音声を読み上げるなど、情報を的確にユーザーに伝えるための役割を担います。博物館や美術館などの館内においても、作品の解説を行ったり、映像による演出を盛り上げる声を入れたりといった仕事を行えるのがナレーターの特徴です。
音声を使う機器の声を担当する
音声を取り入れた機器の声を担当することも、ナレーターの仕事に含まれます。カーナビ、医療機器、銀行ATM、運動機器などは、人の声による案内も機能のひとつです。そういった声は一般的にプロのナレーターが担当し、聞き取りやすくて分かりやすい形で利用者に伝えることが求められます。
近年はAI(人工知能)による音声入力も使用されていますが、人間の声ならではの温かみや親近感は使い心地を向上させる重要なファクターになります。そのため音声を使う機器はこれからも、プロの技術を持ったナレーターを採用する可能性が高いと判断されるでしょう。
まとめ
ナレーターとは、上記で解説したようにさまざまな仕事を担当します。自分に向いている仕事や興味のある仕事をピックアップし、必要なスキルの習得を目指すことで、将来プロのナレーターとして活躍できるかもしれません。
一方、独学だけでナレーターを目指すことは困難であるため、声優やナレーターを専門環境で育成する養成所への入所が必要です。「俳協ボイス」では基礎トレーニングから応用までのレッスンをしっかり行ってくれるので、初心者でもナレーターとして働くためのスキルを身につけることができます。
この機会に俳協ボイスの入所試験を受けて、ナレーターになるための行動をはじめてみてはいかがでしょうか。
